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Universal Keymapシリーズ⑥ 分割型40%キーボード(など)のキーマップを比較してみる (レイヤー3編)

引き続き各キーボードのデフォルトキーマップを見ていきます。 ついに最後のレイヤー3です!

目次

キーマップ一覧

分割型40%
ergodash/mini - QMK Configurator
f:id:den8:20201007052432p:plain:w360
キーマップ - satt99/caravelle-build-guide:
Build guide for Caravelle keyboard

qmk_firmware/keymap.c at nrf52 · sekigon-gonnoc/qmk_firmware
claw44/rev1 - QMK Configurator レイヤー3なし silverbullet44 - QMK Configurator
QMK Configurator用のデフォルトキーマップデータがおかしいためスキップ
qmk_firmwareのCコードと比較すると間違っていることがわかります
crkbd/rev1/common - QMK Configuratorf:id:den8:20201007052453p:plain:w360 uzu42 - QMK Configuratorf:id:den8:20201007052507p:plain:w360
分割型60 ~ 80%
fortitude60/rev1 - QMK Configuratorf:id:den8:20201007052520p:plain:w360 lily58/rev1 - QMK Configuratorレイヤー3には一切キーが配置されていない
Ergodox Ez - QMK Configurator レイヤー3なし
一体型
treadstone48/rev2 - QMK Configuratorf:id:den8:20201007052552p:plain:w360 bat43 - QMK Configuratorレイヤー3なし
reviung41 - QMK Configuratorf:id:den8:20201007052616p:plain:w360 nomu30/rev2 - QMK Configurator事実上レイヤー3(Adjustレイヤー)なし

分析

このレイヤーでは物理キー上の配置ではなく、マッピングする論理キーの種別の観点から見ていきます。

多くのキーマップが採用しているキー

Reset キー

多くのキーボードでこの Adjust レイヤーに配置しているのが Reset キーです。 ResetキーとはErgodox EZ を使ってみよう - Qiitaなどにかかれていますがファームウェアを書き換えるときに押すキーでキー配置をよく書き換える自作キーボードでは非常に便利なキーです。 配置は Q が3つと多く、左上キー・DB がそれぞれ1つずつです。 調べてみると Planck も QRESET を割り当てているため、それに影響されている可能性が高いです。

RGB / Hue / Sat / Bright 系キー

おそらくいわゆるUnderglow (アンダーグロウ)のカラー操作のためのキーです。 このRGBの光らせ方・周期は現時点で9種類あり、それぞれへ1タップで移行できる RGB Mode Bのようなキーがあるのですが今回見たキーマップではそれらは一切配置されていません。 代わりに RGB Mode + で順番に遷移していく手段のみを配置しています。 RGB Mode - で逆順にも遷移できますがこれを配置しているのはreviung41だけでした。 また、 Hue +/- Sat +/- Bright +/- はすべてセットで配置されていますが Effect +/- はどのキーマップでも配置されていません。 この理由は不明です(Effect +/- は比較的最近提供されたキーなんでしょうか?)。

RGB Toggle RGB Mode + Hue +/- Sat +/- Bright +/- キーの配置は見るところ4種類のスタイルがあります。

1行スタイル
RGB Toggle RGB Mode + Hue - Hue + Sat - Sat + Bright - Bright +
  • 上段 (ergodash mini, fortitude60)
1行スタイル(Planck)
RGB Toggle RGB Mode + Hue + Hue - Sat + Sat - Bright + Bright -
  • 上段 (Planck)
2行スタイル
RGB Toggle Hue + Sat + Bright +
RGB Mode + Hue - Sat - Bright -
  • 左手中段下段 (Corne Cherry, treadstone48)
  • 右手中段下段 (uzu42)
変則2行スタイル
Bright + Sat + Hue + RGB Mode + RGB Toggle
Bright - Sat - Hue - RGB Mode -
  • 左手上段中段 (reviung41)

最初はPlanck発祥の1行スタイルが多かったようですが、徐々に2行スタイルが増えているように見えます。おそらくこれは+と-の対応がよりわかりやすくなること、配置がコンパクトにできることなどのメリットがあるためだと推測されます。

一部のキーマップが採用しているキー

バックライト系キー

BL から始まるキーで、キーボードのバックライトを制御するキーです。 今回見たキーマップの中ではergodash miniとfortitude60でのみ配置されています。 BL + BL - を左右に配置するなどの工夫がされていますね。

F1 ~ F12

このレイヤーにファンクションキーを配置しているキーボードが uzu42 と fortitude60 です。 両方ともキーボードの最上段に横並びで配置しています。 fortitude60はレイヤー1にもファンクションキーを配置しているためこちらは2箇所目になります。 それに対してuzu42はファンクションキーがこのレイヤー3にしかありません。ファンクションキー自体人によって使用頻度が違うためレイヤー3が良いかは人によりますが、 Alt - F4 のようなコンビネーションで押す場合 Alt Lower Raise R と4つもキーを押す必要があります。 ちょっと窮屈かもしれません。

マウス操作系キー

これはtreadstone48のみにあります。マウス操作はまた通常のキーとは異なるのでレイヤー3に配置するのは妥当でしょう。

PrintScreen Insert Home End PageUp PageDown

uzu42で PrintScreen Insert, treadstone48 で Home End PageUp PageDown が配置されています。 uzu42はレイヤー0 ~ 2で配置できなかった比較的使用頻度の高い特殊キーを配置していると考えられます。 treadstone48のそれら4キーはレイヤー1にも配置しているので必ずしもこちらを使う必要性はありません。

Rev Alt/GUI Swap Alt/GUI

これは GUI キーと Alt キーの意味を継続的に入れ替えるための特殊なキーです。 Macでは GUI キーと Alt キーの位置が PCキーボードとは逆のため、これで調整します。 fortitude60ではキーボード中心に左右対称で配置され、treadstone48では ER に隣り合って配置されています。

AU_ON AU_OFF

これはキーボードから音を鳴らすときに使うキーで( qmk_firmware/feature_audio.md at master · qmk/qmk_firmware )fortitude60のみにあります。

TO(0) TO(1) TO(2)

これはレイヤー0のキーを半恒久的に切り替えるキーで今回見た中ではfortitude60のみに存在します。 これはPlanckやPreonicなどにも存在してQwerty配列からDvorak配列やColemak配列へ切り替えるために使用されます。ただ、現在では TO ではなく DF を使うことが一般的です(おそらく TO を使うと LowerレイヤーやRaiseレイヤーなども同時に使えなくなるため)。

NEXT ACTION

これですべてのレイヤーの分析が終わりました。次は Corne Cherry を対象に大多数の人が使いやすいSensible Keymapを設計していきます。